患者様に合わせた歯周病治療
患者様の歯周病の状態や歯並び、生活習慣、歯磨きの方法、口腔内の細菌数、細菌の種類によって歯周病の治療やメンテナンス・クリーニングの間隔は変わります。当クリニックでは患者様に最適な歯周病ケアを行います。
バクテリアセラピー
口腔内の細菌環境を乳酸菌で変化させ、改善しませんか?
乳酸菌タブレットや乳酸菌うがい液にて虫歯、歯周病に強い細菌にしましょう。
細菌検査
口腔内の細菌数、細菌の種類を把握して、歯周病のリスク評価を行います。
ブラッシング指導
磨き方のクセや磨き残しの現状などを明らかにし、正しいブラッシングの方法を丁寧にアドバイスいたします。ケア用品の選び方や使い方もお任せください。
PMTC
歯の表面のプラークやバイオフィルムの除去、歯の表面の滑沢化により、プラークの付着しにくい環境を整えます。
スケーリング(歯石除去)
歯や歯周ポケットの浅い部分に付着した、歯垢や歯石を超音波スケーラーや手用スケーラーで丁寧に取り除き、お口の中の細菌量を減らすことを目的にしております。歯石は表面に開いた無数の小さな穴により細菌が繁殖しやすく、歯周病がさらに悪化する原因になります。
ルートプレーニング
歯周ポケットの深い部分に付着した歯垢や歯石を超音波スケーラーや手用スケーラーにより除去します。
深い歯周ポケットが残ったままではセルフケアでプラークを除去することが難しいため、歯ぐきが腫れやすくなったり、炎症反応により歯周病が進行しやすくなります。そのため、セルフケアでプラークを除去できるように歯周ポケットを浅くして管理しやすい状態にします。また歯根表面の細菌数を減少させます。
フラップオペレーション
歯周病の進行状態によっては歯周ポケットが深く、スケーリング、ルートプレーニングだけでは歯周ポケットが浅くならない場合があります。その際は歯肉を開いて歯根を露出させ、取りきれない歯の表面の歯石を除去し、根面を磨きあげて細菌の付着しにくい環境を作り、健康な歯肉への回復を行います。
メインテナンス
お口の健康状態を維持するには、歯科医院での定期的なメインテナンスが欠かせません。
歯科医師によるチェックと歯科衛生士によるクリーニングを行い、歯周病が再発していないかどうかを検査します。予防の意識を高く持ち、約1~3か月ごとに来院していただくことをお願いしております。
歯石除去症例
Before
After
歯周病について
歯周病は「静かなる病気」
日本人の成人の8割が感染していると呼ばれる歯と歯ぐきに歯周病菌が入り込み、歯ぐきななどに歯周炎や歯肉炎を引き起こす病気です。実際に痛みが出るなどの自覚症状が出るまでに時間がかかることから「Silent disease(静かなる病気)」とも呼ばれるのはその由縁です。
そのため、定期的な健診で早期発見、予防処置で早期治療することが一番の歯周病治療です。基本的には歯と歯ぐきの間にある歯周病菌の除去、予防がメインとなりますが、もし重度に至った場合は外科的なアプローチを行う場合もあります。
歯周病をチェック
痛みが出るまで気づきにくいとされる歯周病。以下のようなセルフチェックをお試しください。
数によっては実は歯周病が進行していた、という可能性もあります。
- 朝起きたとき、口の中がネバネバする。
- ブラッシング時に出血する。
- 口臭が気になる。
- 歯肉がむずがゆい、痛い。
- 歯肉が赤く腫れている。(健康的な歯肉はピンク色で引き締まっている)
- かたい物が噛みにくい。
- 歯が長くなったような気がする。
- 前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間がでてきた。食物が挟まる。
3つあてはまる
油断は禁物です。
ご自分および歯科医院で予防するように努めましょう。
6つあてはまる
歯周病が進行している可能性があります。
全てあてはまる
歯周病の症状がかなり進んでいます。
引用元:日本臨床歯周病学会
歯周病の原因
歯周病の主な原因はプラーク(歯垢)です。
プラークは時間が経つと、バイオフィルムというネバネバした細菌の膜を作り、歯磨きをしただけでは落ちにくくなってしまいます。細菌がどんどん繁殖していき、その中の歯周病菌が歯肉の炎症を引き起こすのです。
プラークは時間の経過とともに、唾液に含まれるカルシウム成分と結合し、歯石として石のように固くなります。歯石の表面は無数の小さな穴が開いており、より多くの細菌が付着する原因になるのです。炎症が悪化すると、歯を支えている歯槽骨が細菌によって溶かされ始め、さらに歯周病が進行してしまいます。
歯周病と「妊婦さん」「心疾患」「脳卒中」の関係について
歯周病はお口だけの問題ではなく、からだ全体の問題でもあります。最近その点が明らかになりました。歯周病の症状がひどくなり、歯ぐきの血管を介して全身に広がると、心筋梗塞や動脈硬化の危険性も高まります。また脳では脳卒中、妊娠している女性は早産、あるいは低体重児の出産が生じる場合もあります。このように歯がなくなるだけでなく、からだ全体に大きな影響を及ぼします。
歯周病の進行
歯肉炎
歯と歯ぐきの接着部分にある歯周病菌が影響し、歯ぐきに炎症が起きる状態です。
この状態でなら、ブラッシング指導などのセルフケアと合わせ様子を見る場合があります。
行う歯周病治療
- 歯周病検診
- 歯磨き指導
- PMTC
軽度歯周炎
歯ぐきに軽度の炎症が生じており、歯磨きの際には歯ブラシの刺激で歯ぐきから出血することもあります。歯垢や歯石が付着している場合も多く、症状の悪化とともに歯周病が進行しやすい状態です。
行う歯周病治療
- 歯磨き指導
- PMTC
- スケーリング
- ルートプレーニング
中等度歯周炎
歯を支えている歯槽骨が、歯周病菌によって溶かされ始めています。歯周ポケットも深くなり、さらに汚れが溜まりやすい状態です。歯ぐきも腫れるようになり、歯がグラグラと動くような感覚を覚えることもあります。
行う歯周病治療
- 歯磨き指導
- PMTC
- スケーリング
- ルートプレ―ニング
重度歯周炎
歯槽骨の半分以上がすでに破壊され、歯を支えること自体が難しくなっています。歯ぐきからは膿が出ることもあり、口臭もかなり強く出ています。歯が抜け落ちるリスクも高まっており、早期治療に取り組むことが大切です。
行う歯周病治療
- 歯磨き指導
- PMTC
- スケーリング
- ルートプレーニング
- フラップオペレーション
- 歯周再生療法などの外科的アプローチ
歯周病には日ごろからのケアを
歯周病治療は基本的に、歯周病の原因となる、プラークを除去すること(プラークコントロール)にあり、この除去は定期的に歯科医院へ通うだけでは難しいケースもあり、日ごろからのセルフケアが大事です。
当クリニックでは予防処置(お口のケア)についても患者様にアドバイスを行っています。